寺島実郎の世界観 第3回 「企業と学生のミスマッチ」

2013/03/05

 「就職を機に世界と人生を考える!BS寺島 月9トーク」内の「寺島実郎の世界観-今 知っておくべきメガトレンド」のコーナーで寺島が語った内容をご紹介します。第3回テーマは、「企業と学生のミスマッチ」です。


 
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 就職というものを考えようとする学生、さらに若い人にとって悩ましいポイントについて話題にしたいと思います。それは、「企業と学生のミスマッチ」です。ここに、「企業規模別の採用数」を示す三角の図があります。これをじっくりと見ながら考えてください。
 
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 日本には、約152万の会社があります。そのうち、大企業を仮に従業員1,000人以上の企業とすると3,000社、企業数としては全体のわずか0.2%にしか過ぎません。これに対して、中堅企業を従業員が300人以上1,000人未満の企業とすると8,000社、中小企業を従業員が5人以上300人未満の企業とすると72万社あります。
 中堅・中小企業の採用数は、新卒の採用で42万6,000人、そのうち大学卒の採用が18万人です。また、中途採用が226万7,000人となっていて、ここで年間約270万人の採用が行われているのです。さらにこれらよりも小規模の企業、従業員5人未満の企業が79万社存在します。もう一度この図をよく見ていただきたいのですが、ミスマッチの問題はこのピンク色のゾーンで多く発生しています。
 大企業は、学生をリクルートするために人事部の体制を充実させて学生に情報を発信します。学生側も大企業にはアクセスしやすいということで、エントリーシートを大企業に送り続け、採用活動に参加し続けます。一方で、中堅・中小企業の中にも、経営者が志を持っていて、やがては大きな企業に成長し、大変な実績を挙げていくだろうという企業がたくさんあります。しかし、そういった企業の情報が、的確な形で学生に届いていないことが問題です。学生の方も中堅・中小企業の情報を的確に入手する方法を知らない。ここに大きなミスマッチが起こります。
 自分自身が経営者の至近距離で働いて、企業が大きく成長していく喜びを共有できるような中堅・中小企業を的確に見つけ、参画し、その企業を一緒に育てていくということが、学生や若い人、転職を考えている人にとって大変重要になります。そこで、できるだけこの情報ミスマッチを解消して的確に届けたい。その方法の一つとして、ワークプレイスメントという仕組みを日本にも定着させたいと思っています。
 つまり、企業の情報を的確に掌握し、一定期間、実際にその企業で就業体験として、対価をもらいながら責任ある形で参画する。そこで積んだ体験を自分の血や肉にして、自分の人生を考え、適性をも考え直して、企業選択、就職活動に活かしていく。この試みが、私は非常に重要であると思います。これから確実に成長していく、あるいは自分自身の納得いく人生に繋がる中堅・中小企業をどのように見極めるのかについては、ぜひ努力してもらいたいと思います。ただネットでアクセスして情報を手に取るだけではなく、その企業を実際に支えている人の顔を見つめて、仕事の体験を通じてみて、自分とどういう関連性があるのか、自分の人生にとってどういう意味があるのか、自分の手で掴んで自分で考えて前に進めていくということ、これこそ私が考える意味のある就職活動だと思います。
 学生の就職というのは、自分は食糧問題、あるいはエネルギー問題に関心を持って生きて行きたいなど、概念的になりがちです。具体的にどういう仕事、企業に参画することによって、その問題意識を解決し、実現していくのかということに関して、じっくりと考えてもらいたいと思います。



 
就職を機に世界と人生を考える!BS寺島 月9トーク(BS12 TwellV)
第3回放送(1月14日)より


 


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